【直木賞受賞】窪美澄さんの作品になぜか惹かれてしまう理由を分析してみた
窪美澄さんの作品の魅力に取りつかれた私
作家の窪美澄さんが「夜に星を放つ」(文藝春秋)で第167回直木賞を受賞されました。
今回を機に初めて窪さんの小説を読み、すっかりハマった私が、勝手に魅力を分析する記事です♪
- この記事で窪美澄さんの作品とお人柄の魅力がわかります
- 作品を選ぶ参考になります。
作品とお人柄の両方の大ファンとなりました!
今回直木賞を受賞されてからは、いろいろなメディアで取り上げられ、よくお見掛けしております。
そのインタビュー記事を見て、窪美澄さんの小説家人生にも興味が湧きました。
直木賞受賞のあいさつに人柄が出ていた
直木賞受賞の時のあいさつ
直木賞を受賞した窪美澄さんは記者会見で、
嬉しさよりも今は実感がなくてですね、身体的な反応が、感情よりも先走っておりまして、汗が止まりません。
さっき裏で飲んだお水が美味しいこと美味しいこと!
これまでに飲んだお水の中で一番美味しい。
たぶん嬉しいのだと思います。
なんだかすごい賞を取ったとは思えないくらい、親近感のある方だなぁと思いました。
半面、小説家としての評価は高く、選考委員の林真理子さんからも、次のようなコメントが発表されていました。
窪さんの作品は選考過程で最初から高い得点をとった。短編集は文学賞の選考では不利だとされることもあるが、文章がすばらしく技巧を凝らしている。文章はなめらかに進み構成に無理がなく、短編のお手本のようだと高く評価する人もいた。
NHK NEWS WEBより引用
読書の大切さについても、話されていた
また窪さんは会見時に本屋・書店が次々になくなっている現状について、次のように話されていました。
人の心の穴を埋めることができるのが本。
ネットや他ではそれはできない。
そういう時は本屋で1冊選び、読んでみるのをオススメしたいです。
最後の締めで話されていたのですが、本当に良いことをおっしゃっていました。
お人柄が出ているなぁと感じるあいさつでした。
本好きとして共感もしましたね♪。
窪美澄さんの作品に惹かれる理由とは
とにかく、ずっと読んでしまう、なぜ?
窪さんの作品の良さをひとことで言うなら「一度読みだしたら、とまらなくなる」に尽きます。
読みだすと自分の頭の中で映像化がはじまり、文を読むごとに映画のように頭の中で物語が進むのです。
だから止まらない、没頭して読み進めてしまうのです。
それは他の小説でもあることなのですが、窪さんの作品は何が違うのでしょうか?
読みだすと止まらなくなる構成だから
読むとそのままその物語に没入できるのは、窪さんの文章の魅力的な使い方と巧みな構成によるものだと思います。
- 章ごとに語る人物が違う、視点が変わる
- 心理・背景の描写のうまさ
- 視覚・聴覚・嗅覚を思い起こさせる表現のうまさ
などが挙げられます。
窪美澄さんの作品の描き方の特徴
語り手は誰?視点がころころ変わる
窪さんの作品の特徴で多いのは章ごとに、ちがう登場人物の目線で話が進んでいくことです。
なので、章ごとに視点が変わり、自分が別の語り手の目になり話が進む、だから飽きない。
さっきまでそっち側だった話が、今度はこっち側にくることで、バラバラだったピースが読み進めると段々とハマってくるのです。
あれ?今度は誰の視点なんだろう?と章のはじまりにワクワクしながら読んでしまうのです。
過激な描写も淡々と
過激と思われる性描写も作品にはなくてはならない表現と感じます。
社会的な影の部分、貧困、家庭内暴力、虐待、性暴力なども包み隠さず文章に昇華。
それでいて感情的すぎず、冷たすぎずの表現で淡々と読者の心に入ってきます。
人間の妬み・嫉み・ひがみを隠すことなく描く
人間のドロドロとした部分、妬み、嫉み、ひがみを読者にも自分事として重なるように表現されています。
どの感情も読者の日常と重なるところがあるな、と感じます。
「あーなんかわかるな」と読んでいて共感できてしまうのです。
読者の想像力がどんどん膨らむ文章がうまい
読者の頭に映像が浮かぶ、匂いまでも
窪さんの作品は視覚・聴覚・嗅覚・触覚を文章で表現するのがとてもうまいと感じます。
だからなんですね、読者の頭の中で容易に映像化されるのは。
特に匂い(臭い)の表現が印象的。
匂いの表現は作品に共通して出てくる?読者はその表現を読むことで、登場人物がよりリアルな人間像になるのですね。
登場人物の服装・体格まで浮かぶ
細かな文章の表現で、人物の服装、顔や体のイメージまでも読者の頭の中で映像化されます。
それでいて文章はしつこくなく、するすると読めてしまうんですよね。
職業の細かな設定が想像以上
驚くのは、作品に出てくる職業の詳細さです。
単に調べてリサーチしただけでは普通はわからないのでは?という、その職業ならではの苦労や関係性までも描いてあるのです。
「え?窪さん実は前にこの仕事してたのかな?」と思ってしまう場面が何度かありました。
窪美澄さんは女性として様々な経験をされている
窪美澄さんは昔フリーライターだった
窪さんは以前、フリーのライターをされていたそうです。
だからか!どの文章も地に足のついた、現実味を帯びた世界観なのかなと思います。
育児雑誌たまひよのライターだったそうで、妊娠、出産、子育て、不妊、家族、家庭のリアルな現場やそれぞれの立場の人の気持ちを、上手に書く理由がわかります。
それでいて文章は押しつけがましくないんですよね。
食べていくために書いていた
窪さん自身が子供さんを亡くされる経験をされたそうです。
また、離婚も経験されており「食べていくために文章を書いた」とのことでした。
様々な立場の女性の内面を文章で書く技術や深みは、いろいろな経験から生まれているのかな、と勝手ながら思います。
子育てをしながらの執筆
性描写の多い作品を手掛けた際、息子さんが思春期の時は、とても気を遣って書いていたとインタビュー記事にありました。
「(息子さんが)部活や学校でいない合間に…」と…。
なんだか微笑ましいエピソードだなと思う反面、生活をするために書く仕事をする、厳しい現実も感じます。
同じ子を持つ親として共感したエピソードです。
窪美澄さんの今後への期待
今後の作品も楽しみにしています
直木賞の会見時に
遅咲きの小説家なので、残された時間でいかに良質な作品を残すかが、課題だと思っている。
と話されていました、期待です♪
私自身も窪さんの作品で読んでいないものが、まだまだあります。
今までの作品を網羅する予定と、今後発表される作品にもすごく期待しております。
窪さんの小説に出会えたことで、読書の楽しみを改めて感じるよい機会となりました。
感謝申し上げます。←完全に窪さんへのメッセージになってる♪
まとめ:ファンが勝手に分析しました
窪美澄さんの小説にどハマりした私が勝手に作品の魅力を語りました。
単なるファンの分析ではありますが、窪さんの魅力を知っていただけたら嬉しいです。
一緒に読書を楽しんで行きましょうね。
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